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報の報道を行っています。
中国では、ISM規則の実施を監督している安全監督機関は10の区分に分かれています。各安全監督機関はISMの実施に対して宣伝、教育を行い、船会社が行うISM準備作業を推進しています。また、ISM作業準備委員会を設立し、優秀な人員を推薦し、ISM監督委員の訓練及び作業に参加させています。
1996年8月から9月まで、我が局は2回にわたって監督員の訓練を行いました。監督員は、安全監督局、船級協会及び船会社の3つから構成されています。
中国の船級協会は、これまでに多くの準備作業を行いました。1つめは、船舶安全管理認証部を設置し、SMCの作業に従事しています。上海、大連、秦皇島、天津、青島、南京、香港等に地方認証部を設置し、専門の監督員を配置し、ISM規則の認証業務を展開しました。2つめは、「船舶安全管理システム認証規範」を制定し、本規範の英語版はすでに海外の関係主管機関に送付しました。中国語版は、現在、国内の関係機関の意見を求めているところです。3つめは、関係証書の様式を編成しました。4つめは、国際船級協会の訓練大綱に基づき、3期のISM監督員訓練班を組織しました。5つめは、積極的に広報を行いました。
準備作業の順調な実施を保証するため、我が局は実験を試みました。上海海興有限公司、青島遠洋運輸公司等の大きな公司については、比較的準備作業が進んでいました。海南省の3つの中小公司については、すでに書類の編集を終え、試行に入っていました。これらの実験を基に、「安全管理システム指針」を編集し、他の中小公司の準備作業を指導しました。以上がISM規則の準備作業の状況です。
次に中国の海上捜索救助業務の現況について説明します。
中国政府は1985年に「1979年の海上における捜索及び救助に関する国際条約」に加入し、1985年7月24日に我が国に対し発効しました。中国政府はこれまで遭難者の救助作業を非常に重要視しており、1973年に交通部内に「中国海上捜索救助センター」を設立しました。1974年には、沿岸地区の遼寧、河北、天津、山東、江蘇、上海等の省、市、自治区に海上捜索救助センターを設立し、これらは各省等政府組織の交通部門から編成されており、各地区における海上捜索救助業務の指揮及び調整を行っています。各捜索救助センターは管轄海域の状況に基づき、同センターの分室を設置しました。中国の海上捜索救助業務は、海上捜索救助センターの調整及び指揮により実施されており、各地の安全監督局は捜索救助センターのメンバーになっています。捜索救助センター及びその分室は24時間の当直体制を取っています。
中国は国内法により海上における捜索救助の職責を決めました。「中華人民共和国海上交通安全法」は船舶海難が発生した場合の自船の取るべき処置の規定の他、各交通部門が救助要請を受けた場合、直ちに救助に向かうことを義務付けています。関係機関と事故現場の付近にいる船舶、施設は主管機関の指揮を受けなければならず、外国からの派遣船舶、航空機が中国の領海、領空に進入し遭難した人員、船舶を救助するときは、主管機関の許可を受けなければなりません。「中華人民共和国捜索救助民用航空機規定」では、各関係機関が協力することを規定しています。現在、「中華人民共和国海上捜索救助条例」を起草しており、すでに、海上捜索救助作業の職責、手続き、指導等一応の規則、規範はできています。
中国政府は救助勢力の投入と建設に力を入れています。1974年、煙台、上海、広州に救助サルベージ局を設置し、遠洋の救助能力を備えた36隻の曳船、3隻の高速救助船、更に、大型サルベージ船を配置しました。沿岸の17の港には救助事務所を、天津、煙台、連雲港、上海等の数十の部署には、14から18隻の救助船を配置し、24時間の当直体制を組んで、全国沿岸救助ネットワークを形成しています。
専門的な捜索救助システムの導入以来、1,600余りの遭難船舶を救助し、1974年以来、793人の遭難者を

 

 

 

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